石田流対策として袖飛車はかなり有力です。しかし、うまくいかない事例があるのでそれも紹介したいと思います。まずは袖飛車の狙いを確認しましょう。

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便宜上先後逆にしております。大切なのは仕掛け方なので細かい手順は一旦省略させていただきます。ここで単に▲36歩と仕掛けるのは、△同歩▲同銀△35歩と追い返されるので仕掛けが成功したとは言えません。ここから先手はどう仕掛けるのでしょうか。
上図以下の指し手
▲15歩△同歩▲36歩△同歩▲15香△14歩▲35歩△同角▲36銀△37歩▲同飛△46角▲35歩△45桂▲34歩△37桂成▲同桂△同角成▲33歩成△36馬▲43と△同金▲32飛△▲(成功図)

sfen (39)
1筋を突き捨て歩を入手して▲35歩と打つのが好手です。△同飛は▲36銀とされ、縦に逃げると▲35歩で飛車を取られてしまいますし、横に逃げると▲14香とされてしまいます。成功図は王手馬取りがかかり先手勝勢です。これはうまくいきすぎですが有力な仕掛けであることはお分かりいただけたと思います。次にこの仕掛けがうまくいかない場合を紹介していきます。
sfen (40)
前と少し違い、石田側は美濃囲い、居飛車は左美濃に組んでいますこの局面で同じように仕掛けるとどうなるでしょうか?
上図以下の指し手
▲15歩△同歩▲36歩△同歩▲15香△37歩成▲同桂△36歩▲13香不成△37歩成▲35歩△同飛▲26角△38と▲35角△37と▲11香成△47と▲同金△25桂(失敗図)▲△▲

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この局面は石田流側がさばけていると思います。△37歩成に▲同飛とするのは△同飛成▲同桂△36歩とされて捌かれそうです。石田流に対しての袖飛車は、相当形を選ぶということです。それに最初の局面のように玉の整備を後回しにして攻撃陣を整備してくる人はあまりいません。ただ、これをしっかりと対応できる人は少ないと考えられるので、(正しく対応されても少し悪いくらい)、指してみるのも悪くないかもしれません。不利になるのが絶対に嫌な方は、石田流に対する一つの攻めのアイデアと思っておいたほうがよさそうです。